おまけ其の壱・公爵邸襲撃後







???「おお、ルークよ! 死んでしまうとはなにごとだ?」


ルーク「……へ? なにがどうなったんだ? 
    俺は確か……あの暗殺者のネェーちゃんに斬りかかって……」


 (直前の記憶を思い出して、真っ青になるルーク)


???「そのとおーり。あなたはすでに、死んでるのです!」


 (胴着を身につけた少女が、ぴしりと竹刀をつきつける)


ルーク「い、いったい、お前は……!?」


???「わたしは死の水先案内人にして、おっきなお友達の永遠のアイドル、アニスちゃん13才!
    よろしくね♪」


ルーク「……いろいろ突っ込みどころ満載な気がするがそこは置いとくとして、だ」


(周囲をきょろきょろと見回すルーク)


ルーク「ここってどこよ?」


アニス「ここは、えーと……」


 (ゴソゴソとメモ用紙を懐から取り出すアニス)


アニス「ひかえろ、ここはおろかなりしぃ、ししゃのつどうばしょぉ、しんせいなるグランツ道場なるぞ!」


ルーク「……。もうなにがなんだか……夢か? 夢なのか?」


アニス「甘ぁいっ!」


ルーク「いてぇっ! うおぃ!? 竹刀を振り回すなって! アブねぇよ!?」


アニス「なんでさが口癖の某運命≠フ主人公より甘い!! 甘すぎる!!」


ルーク「なんかいろいろとギリギリな発言だなぁ……」


アニス「ここはそーちょうにお出まし頂くしかない!」


ルーク「総長? うっ……な、なんだ? 急に寒気が……い、いったい俺はなにを恐れている?」


アニス「そーちょう、おいでませ〜♪」


総長「──うむ。まったくもって不甲斐ないな、ルークよ」


ルーク「…………なっ──────…………」


(ヴァン師匠の姿を目にして、絶句するルーク)


ヴァン「今回の死因は気が散ったまま彼女≠ノ斬りかかった結果、返り討ちにされたのが原因だ」


ルーク「……(絶句したまま口を開けない)」


ヴァン「しかも気が散った理由が胸を気にしてとは……私は情けないっ! 情けないぞ、ルーク!」


アニス「ほんっ──とうに、情けないよねぇ〜♪」


ルーク「はっ──!?(我に返る) ま、待て! いろいろ突っ込みたいが、とりあえず言わせてくれ」


ヴァン「む、どうした? なにを慌てているのだ、ルーク」



ルーク「なんで、師匠が、ブ○マ履いてやがりますか──────っ!?」



(重々しい雰囲気をまといながら、口を開くブル○姿のヴァン)


ヴァン「……うむ。それには深い理由があってな……」


ルーク「ふ、深い理由……?」



ヴァン「なんと、この時空においては着衣が○ルマか胴着のどちらか一方しか選べんのだ!!」


(カッと目を見開き、衝撃の事実を明かすブ○マ姿のヴァン)


ルーク「な……なるほど。い、いろいろ腑に落ちない点はありますけど、そうっすよね。
    師匠がまさか、自分からすすんでブル○を履くわけないっすよね!」


ヴァン「……うむ」


(はははっ、とほがらかに笑い合う二人から離れた場所で、一人首を捻るアニス)



アニス「……あれれ? でもどっちか選べるんなら、胴着を選べばよかったんじゃ?」



一同『………………』



ルーク「こ、こんな変態、師匠じゃないやぁ──────ぃっ!!」



(叫びながら何処へとも無く走り去って行くルーク)



ヴァン「む、ルーク? ……行ってしまったか。やれやれ、この程度で動揺するとは精神鍛練が足らんな」


アニス「あはははぁ。サイテーですね、そーちょう♪」





……いろいろと投げっぱなしのまま、

 グランツ道場・第一回

  完!!







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