アニス「はいはい、ということでやってきましたグランツ道場第四回〜。ふぅ……やれやれ」 (どこかヤサグレタ空気を振りまきながら、棒キャンディを指二本で掴み、スパスパするアニス) ルーク「な……なんか、妙にやさぐれてるな、アニス」 アニス「はぁっ……これだから単純男は困りますよ」 ルーク「な、なにがだよ?」 アニス「いい? タルタロス襲撃でみーんな死んじゃったんだよ? ルークがポックリ逝っちゃった、お・か・げ・で、さぁ〜」 ルーク「うっ……確かに、俺が一人でうろついてたばっかりに、面目無いです……」 アニス「ったく、数百人も一々道場で顔合わせるのは面倒だっちゅーの」 ルーク「って、それが理由かよっ! ……いや、っていうか、他の連中もここに来てんだなぁ」 (遠くを見据え、乾いた笑みを洩らすルーク) ヴァン「……さて、今回の死因だ」 ルーク「あれ? 総長もちょっとテンション低めっすね」 ヴァン「うむ。最近部下の一人が私の言う事を聞いてくれなくてな。反抗期なのだろうか……?」 アニス「っていうか〜♪ 総長って──まじウザいですもんね」 (後半は素の表情になって告げるアニスに、胸を押さえるヴァン) ヴァン「ぐはぁっ! こ、この胸に突き刺さる言葉のナイフが恨めしいっ! る、ルークよ。お前はそんなことは言わぬよな? ほら、私はお前の大好きな、ちゃんと叱ったりしてくれる師匠でちゅよ〜」 ルーク「……まあ、正直ウザイったらしい時もありますね。特に今とか。ブン殴りたいくらい」 ヴァン「あべしっ! な、なんたる扱いっ! 所詮オヤジ顔に人権は無いと言うことかっ!? 未だ私はカレー臭がする年齢ではないのだぞっ! なぜあれ程までにカーティス大佐がもてはやされる! 私よりも年上な三十路男だぞ!!」 ルーク「……やっぱりコンプレックス感じてたんだな、オヤジ顔に……」 アニス「……だねぇ。わたしはちょっと意外かな〜」 (ひそひそと顔を突き合わせて囁き会う二人に、ビタリと喚くのを止め、グルリと顔を向けるヴァン) ヴァン「……本当に本気でウザイ?」 ルーク・アニス『かなり』 ヴァン「うぉ────っ!! リグレットよ、わかってくれるのはお前だけだ────っ!!」 (首を左右に振りながら圧倒的な速度で走り去っていくヴァン) ルーク「……行っちまったか。まあ、ああいうところがウザイんだがな!」 アニス「だよねぇ♪ ああ言うところ見ちゃうと、正直引きますわっ!」 ルーク「……ってか、今気付いたが、結局、俺死因とか何も聞いてないぞ?」 アニス「まったくダメな大人には困っちゃうよね〜。それじゃ、わたしが代わりに説明しておくけど。 今回のルークの死因は、タルタロスからの転落事故が原因です。 陸上戦艦から身を乗り出すなんて、ダメダメですよ〜」 ルーク「……そだな。今後は気を付けよう」 アニス「あれれ? 今回はまた随分と素直だね?」 ルーク「いや、ああいう大人にだけはなっちゃいけないと思ってな」 アニス「なるほどなるほど〜。反面教師ってやつ?」 ルーク「あれでも俺の師匠だからマジでへこむわ……」 アニス「オラクル騎士団のトップでもあるけどね。 ふぅ……ああもう、そーちょうのせいでなんだか締まりが無くなっちゃったけど! それではまたルークが死んだ時にお会いしましょう〜♪」 ルーク「……いろいろと考えもんだよなぁ」 |