おまけ其の五・対カイザーディスト戦後











???「よ─しっ! ってことで、ついに! とうとう! やってきたぜ、グランツ道場──特別編!!」


ガイ「へっ? な、なにやってんだルーク? そんな胴着なんか着込んで? 
   というか、俺は確か六神将のディストと……」


(直前の状況を思い出し、一気に顔を青ざめさせるガイ)


ルーク「その通ーりっ! 全くもって不甲斐ねぇ! 不甲斐ねぇぜ、ガイ!!」


ガイ「うおっ! ちょっ待てって、竹刀を突き付けるな〜っ! こ、ここはいったい何処なんだ?」


ルーク「くっくっくっ。訊きたいか? なら教えてやるぜ。
    此処こそは、愚かなりし死者の集いし場所、神聖なるグランツ道場なるぞっ! 控えろっ!」


ガイ「な、なんか目眩が……くらくらっと来たぞ」


アニス「おやおや。ちゃんとやってるみたいだね、ルーク♪」


ルーク「おおっ! 師範代のお出ましだぁ、さぁ、礼を取るんだ、ガイ!」


ガイ「って、うおぃっ! なんでブルマ姿なんだよ、アニス!?」



ルーク・アニス『……』



ガイ「いや、なんでまた、そこで急に黙るんでしょうか?」



(道場の隅っこに固まって、ヒソヒソと言葉を交わし始めるアニスとルーク)


アニス「なんか、初めてわたしの服装に突っ込みが入ったね」


ルーク「だよなぁ。俺は最初の師匠の姿が衝撃的すぎて、スルーしてたからなぁ」



ガイ「もしも〜し。お二人さ〜ん」


ヴァン「──仕方がない。ここは道場主たる私の出番だろうな」


ガイ「って、ヴァン謡将!?」


ヴァン「うむ。今回の伯爵殿の死因は、カイザーディストの一撃だ。
    避けようとした所で、仲間を庇って果てたというものだな」


ガイ「ああ……まあ、仕方が無いか。あいつらが無事なら、それでいいさ」


(鼻の頭を掻くガイに、肩をワナワナと震わせるヴァン)


ガイ「……もしも〜し? ヴァン謡将〜?」


ヴァン「くっ──これだ! そう、こういう死因を待っていたのだ、私はっ! 
    別にお笑い担当がやりたかったわけではないのだぞ、私はっ!!」


アニス「なにを言ってるんですか、そーちょう♪ 前回笑いの道を説いてた事を忘れたんですかぁ?」


ルーク「今更その台詞には説得力無いぜ、ししょー」


ヴァン「違う! 断じて違う! 私は────…………」



ガイ「えーと、いったい俺にどうしろと? ……ん? これを読めばいいのか?」


(床に置かれていた進行台本を拾い上げ、読み上げるガイ)


ガイ「……えーなになに、それではまたルークが死んだ時にお会いしましょう?
   あ、俺は今回だけか。ほっとしたな」


(胸をなで下ろした後で、ぎゃあぎゃあと喚いている三人を見やるガイ)



ガイ「…………帰ろ」





 ……絶対大佐は来ないだろうなぁと思いつつ、

 グランツ道場・特別編、

  完!!






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