アニス「毎度お馴染み、グランツ道場で〜す。さてさて、今回はいったい、どんなことが起こったかと言えば…………───って、総長、黒っ!?」 (これまでの経緯が書かれた台本読み返し、頭を抱えて叫ぶアニス) ルーク「…………師匠」 (ルークは道場の隅っこで両膝を抱え、動かない) アニス「…………うわぁ。ルークも今回ばかりはダメージ多すぎて、役立ちそうに無いし。一応今回の死因だけど、ティアの展開した譜歌の範囲に入るのが間に合わなかったのが原因です。色々とショックだったのはわかるけど、もうちょっと元気出そうよ、ルーク」 ルーク「………正直、もう何が何だかわからんのだが?」 アニス「うっ、道場で素を返されても、対応のしようが……ってか、この一大事に総長は何処行っちゃったのよ!? ……ん? これ、何だろ?」 (道場のかみざに置かれた紙片を拾うアニス) アニス「なになに……『後は任せた──ヴァン・グランツ』」 アニス・ルーク『………………』 アニス「って、道場主の癖に失踪!? だいの大人が夜逃げですかっ!? あーりーえーなーい!! もうマジでどうしよ……」 ???「───いやぁ〜お二人とも、元気がありませんねぇ」 アニス「だ、誰っ!?」 ルーク「……無性にどっかで聞いた覚えがある声のような気がする。うっ……すげぇ悪寒がするし……」 ???「水臭いですねぇ、二人とも。こんな面白そうな場所を私に黙っているなんて。 私ですよ、ジェイド・カーティスです。ジェイドとお呼びください」 (優雅に一礼して、白衣をまとった長髪の軍人が現れる) ルーク「って、ジェイドかよっ!?」 アニス「はわぁ、た、たたた、大佐が何故ここにっ!?」 ジェイド「ふふっ……ヴァン謡将が逃げ出した今、この空間はより相応しい主を求めているのですよ。弟子に翻弄されるしかない剣の師よりも、より深みを持った人生の師をね。あのオヤジ顔にはできない仕切りを、この私が見せてあげましょう」 (メガネを押し上げ、物騒な空気を身にまとうジェイド) ジェイド「というわけで、今後、この道場は私が引き継ぎます。よろしくお願いしますねぇ♪」 アニス・ルーク『えぇぇ─────────っ!?』 |