人気のなくなった道場。 突然、照明が灯り、一人立ち尽くす人影を映す。 「……ルークです。何故か、道場からみんな居なくなってやがります」 どんよりした口調で、スポットライトに照らされながら、力ない言葉が響く。 「……ルークです。人気投票で一位になったのに、この扱いはあんまりだと思います」 今にも涙がこぼれ落ちそうになりながら両肩を震わせると、あさっての方向を向いて叫ぶ。 「ジェイドもアニスも、みんなみんな、ばっきゃろぉぉぉぉ──────!!」 (ばっきゃろぉぉぉぉ───っきゃろぉぉぉぉ───ゃろぉぉぉぉ───ぉぉぉ───) 叫び声はしばらく反響していたが、直ぐに静寂に塗りつぶされた。 「はぁはぁはぁ…………くっ、面と向かって言う度胸はない自分のヘタレ具合が、情けねぇ……」 ぜぇぜぇと息を切らせながら、ズーンと落ち込んだ後で、気を取り直したように顔を上げる。 「……と、ともかく、アレだ。俺みたいなチンピラに投票してくれて、みんなありがとな。 コメント見てるだけで、ちょっと感動に言葉がないぜ。 なんか色々と本編も大変なことになってるけどよ、とりあえず前を向いて歩いてこうって思ってるんで…… あー、何だか、自分で言っててよく訳がわからなくなってきたが……ともかくだ!」 どどーんと正面を向いて、カラっとした笑顔を浮かべる。 「これからもヨロシクな!! っつーことで、道場特別編は、これにて終了! また次回………」 そこまで言ったところで、不意に言葉が詰まる。どこか嫌そーに眉を寄せながら、ボソリと一言。 「……俺が死んだときに、会う事になるのかね?」 |